どこかの元T大生の思考

不定期です。旅行と考えることが好きな元T大生が、たまーに駄文を公開します。旅の記録を語る[旅]、何かに対する見解や主張をぶつける[論]、自分の生き方について思いを巡らせる[憂]、趣味などについて書き散らす[雑]の4つのカテゴリーで。

[論3]「容姿の評価」について

「イケメン」「ブサイク」から「服装がイカ東」まで。人の容姿・ファッションを過剰に評価するのってどうなんだろう。

 

 

 

「イケメン」「ハンサム」「かっこいい」。世の男性の容姿を無条件に肯定する、自身が言われたら非常に嬉しい言葉である。

女性もしかり。「かわいい」「美人」「美しい」、これは女性の容姿に対する最大限の褒め言葉だろう。

一方で「ブサイク」「ブス」「顔が悪い」などといった言葉も、容姿の評価として存在する。心無い、ネガティブな方面の言葉である。これは言われたら決して愉快には感じないだろう。自身の容姿を否定されているようなものである。

 


人の容姿を否定的に評価する、この行為が私はどうしても苦手だ。

私は、東大の逆評定や他己紹介なんかにも「イケメン」「かわいい」といった褒め言葉はとても書き込む。別にお世辞とかじゃない、実際にそう思うから書くのである。ボディビルの大会みたいな感じで、純粋な褒め言葉をぶつけるのである。

一方で、容姿を貶す言葉は絶対に吐かない。「ブス」など死んでも言えない。

だってそれは、その人を否定することにつながるんだもの。容姿は半ば天から与えられたものであり、容姿の評価はもはやその人自体の評価にもつながる(だから人はメイクやファッションに力を入れるのだろう)。そして何より、自身の容姿をもってその人の容姿を酷評するなんて恐ろしいもの。

 


人の容姿を否定的に評価できる人は、よっぽど自身の容姿に自身があるのだろうか。そうでもなければ、少なくとも私は恐ろしくて他人の容姿を否定的に評価などできない。だってそれがブーメランたりうるんだもの。容姿がさほど良くない人間が「容姿が良くない」なんて言えるのか?

また、Twitterなどでもたまに「美女とブサイクのカップル」などという表現を目にすることがある。私はこの表現に対して怒りを感じたものである。だいたい拗らせた身からしたら彼女を持っている時点で自身より上位の存在()であり、所詮未リアの自分が彼の容姿など評価できない。というか、自分が仮に美女と付き合えたとしたら今度は自分がそう言われるんだぜ、嫌でしょ。じゃあそういうのやめようよ。

そもそも、人の容姿を悪くいったところで誰が得するのだろうか。言った人本人が一時的に虚構の自尊心を手に入れるのみだろう。少なくとも言われた側は、自身に対してもそれを言った人に対しても不信感を抱くようになるはずだ。そんななんの得にもならない評価、言わないほうがいいだろう。

だいたい、人の容姿なんて千差万別だし、それを一義的に「かっこいいorブサイク」「かわいいorブス」で測ること自体ナンセンスではなかろうか。

 


とは言ってもたしかに人間、他人の容姿に対して「これはないな」と心の中で思うことはあるかもしれない。「生理的に無理」が通用するくらいだし、これはもはやしょうがないと思う。

でも、それってわざわざ言語化する必要があるのだろうか。そもそも容姿はもはや天賦のものであり、何か言われたからって迂闊に変えられるものではない。せめて自分の心の中で完結させようよ。

たしかに「清潔感ない」とかは別物だけどね。

 


話は飛んで、少しファッションの話を。

 


イカ東ファッション」(名前は適当)といったものがある。チェックシャツにジーパン、運動靴や大きなリュックサック、そして縁の太いメガネである。

私は1年のSセメスター、この格好でいることが多かった。結果としてクラス逆評定に「服装がイカ東」というのが現れ、非常に慌てたものである。自身は「服装がイカ東」だけは勘弁してほしいと思っていたのだ。……おかげで現在は自身のファッションは結構改善された。

……でもよく考えてみると、なんでこんなにこのファッションは馬鹿にされているのだろうか。別にファッションなんで個人の考えだし、個人によって自分に好ましいと思うものは違うし、一義的に「良い」「悪い」など言えないはずだ。ただ「いかにも東大生っぽい」ってだけで馬鹿にされる、これはよくわからない。

 


……とはいっても、たしかに東大生のメガネ率は異常だ。私は逆張り人間なので、8割(!)がメガネをかけているコミュニティではあえてメガネ着用を避けるのだが、そのたびに思うのが「みんなコンタクトにしよう」という考えである(自身は朝の時間の慌て方から無理そう)。黒縁メガネよりはコンタクトだろ。メガネに限らず、たしかに東大生は清潔感のためにもファッションにもう少し気遣うべきではある。

「服装がイカ東」、何も生み出さない単なる悪口とは思っていたが、東大生のファッションに対する危機感を喚起させる点で(少なくとも私には)有意義だった。

 

 

容姿、ネガティブに評価はしたくないものだ。評価は、あくまでもその人の容姿を純粋に肯定する方向だけにしたい。だって否定的な評価じゃ誰も喜ばないもの。

でも自身がネガティブに評価されることもあるはずだ。それが自分ではどうしようもない「容姿」なら「それはお前の主観だろ???」って聞き流し、「ファッション」なら悪口と受け止めつつ自身の向上に繋がるものとして捉えるのがいいのかもしれない。

 

 

これからも逃れられない、容姿の評価。他者に対する評価は肯定的なものばかりにして、自身に対する評価へは否定的であっても戦い続けていきたい。