東大合格後、空いた時間でふと限界旅に出てみた時の話。
2018年3月10日、私は東京大学文科一類に合格したことを知った。そして3月15日、高校を卒業した。
何も制約のない、自由な高3の春休み。しかしその後は生協の入学準備説明会やらクイズの大会やらで意外と予定が埋まっていき、それほど暇すぎない春休みとなっていた。でも旅行もしたかった。
そこでふと手帳を見てみると、3/19から3/23にかけて空白が。じゃあ3/21から3日間でちょっくら旅行にでも行ってくるか!と、当時資金が潤沢であった私は考えたのである。それが3/17くらい。結構突然の旅行であった。
それではどこに行こうか。当時私は名古屋は通過しかしたことがなく、また三重県は行ったことすらなく、それに松本も行ったことこそあるもののまともに観光したことがなかった。そして何より、あの鬼畜な飯田線を乗りつぶしたい欲に駆られた。そういうことで、3日間で中日本を回ることにしたのである。
急いで乗換案内で経路を調べ、安いカプセルホテルを探し、旅程を組んだ。資金が潤沢であったとはいえ、あまり金を使わずに済ませたかったのである。切符はもちろん青春18きっぷ。
旅程は、
〈3/21〉
埼玉県の自宅(武蔵野線とか)西国分寺(中央本線)下諏訪(中央本線)岡谷(中央本線辰野支線)辰野(中央本線辰野支線)塩尻(中央本線・飯田線)元善光寺(飯田線)豊橋(名鉄名古屋本線)名鉄名古屋
〈3/22〉
名古屋(関西本線)亀山(紀勢本線)津(近鉄名古屋線)伊勢中川(近鉄山田線)宇治山田/伊勢神宮外宮観光(バス)伊勢神宮内宮観光(バス)五十鈴川(近鉄鳥羽線・山田線)伊勢市(快速みえ)名古屋(地下鉄東山線)栄(地下鉄鶴舞線)市役所(地下鉄鶴舞線)金山(名鉄名古屋本線)名鉄岐阜/岐阜(高山本線)美濃太田(太多線)多治見(中央本線)名古屋(中央本線)中津川(中央本線)塩尻(篠ノ井線)松本
〈3/23〉
松本(篠ノ井線・中央線)上諏訪(中央線)甲府(身延線)富士(東海道本線)沼津(御殿場線)国府津(東海道線)東京(中央線)西国分寺(武蔵野線とか)埼玉県の自宅
って感じである。まあ乗りつぶしだね。中央本線と飯田線と近鉄山田線と伊勢鉄道伊勢線と名鉄名古屋本線と太多線と身延線と御殿場線を全線制覇した。…我ながら気持ち悪いな。
1日目。
2018年3月21日。みなさんはその日に何があったか覚えているだろうか。
そう、時期的に異常な降雪があったのである。家を出るときはそうでもなかったものの、中央線で高尾に向かう頃には雪がちらつき、下諏訪なんかでは結構な雪が降っていた。予想外の展開に狼狽しかけたが、雪中の旅もまた良いものであった。
西国分寺から高尾と甲府での乗り換えを経て(高尾では駅前をぶらつきもした)、下諏訪へ。諏訪大社四社全てを回りたかったが時間的に無理だったので、とりあえず駅から一番行きやすそうな下社秋宮に行った。雪に覆われていてなかなか幻想的だった。雪のせいか、ほかの参拝客はあまりいなかった。参拝を終えるとなぜか諏訪湖のほとりに向かったが、いかんせん雪が強すぎてなんもわからん。
時間に余裕がなかったため走って下諏訪駅に戻り、そこから岡谷駅での乗り換えを経て大八廻り(辰野支線)の乗りつぶしへ。特に辰野→塩尻は本数が著しく少ない区間。昼間の下諏訪→岡谷は結構混んでいたが、辰野→塩尻の区間なんてガラガラだった。
塩尻では日本最小(?)の駅そばを拝み、駅弁の「とりめし」を買って飯田行きに乗車。豊橋まで行くには駒ヶ根〜飯田間のどこかでで1時間くらい待たねばならず、じゃあついでに観光しちゃおうということで元善光寺駅で下車。お戒壇巡りはガチで怖かった。なんも見えねえ。
そして豊橋へ。天竜峡に沿って進む車窓はとても綺麗だったが、水窪あたりから夕方ゆえ暗くなって渋い状態に。長時間の乗車に耐え、岡谷から6時間以上、豊橋へと到着した。
続いては乗りつぶしのために名鉄へ。JRなら18きっぷ使えたのに……余計な出費を発生させた。そして位置情報を使うゲームのやりすぎで、携帯の電池がなくなりかけていた。
名古屋に到着すると、まずはカプセルホテルへ。めっちゃいいところだったけど、割引の併用とかで2,500円くらいで泊まれたので神。そして夕飯を探しに行ったが、結局夕飯は吉野家の牛丼だった。つまんねえの。
2日目。
関西本線の始発で三重県へ。近鉄に少しでも乗るために謎ルートをとった。朝食はコンビニパン。
そしてお伊勢参り。ええじゃないか。宇治山田駅はすごかった。外宮は広かった。内宮も広かった。外宮はとても神々しかった。内宮もとても神々しかった。あと、五十鈴川の流れ結構速かった。…これくらいしか覚えてねえな。あと、おかげ横丁で松阪牛の牛串とお土産の赤福を購入。うまかった。
そこから名古屋に帰還。名古屋の観光地はあまり知らず()とりあえず名古屋城へ。当時は天守閣の工事前、まあまあ綺麗だった(小並感)。本丸御殿もよかった。
昼食のきしめんをかきこみ、地下鉄で金山へ。そこから岐阜に向かい、名鉄名古屋本線完乗。名鉄岐阜駅と岐阜駅は意外と遠くて、時間の余裕がないときに歩いて乗り換えるのは割と大変だった(てか走った)。
続いては多治見方面へ。伊勢神宮のポストカードを美濃太田駅前のポストで投函するという謎行為もした。
多治見からは中央本線完乗のため一旦名古屋に向かい、夕食の名古屋グルメ・みそカツ弁当を買い、そしてひたすら松本に向かう。木曽福島で運転手が遅れそうな乗客を待っていて、ローカル線らしさというか良さを感じた。
松本に到着したのは23時以降、高校生にしては結構遅かった。すぐにカプセルホテルにチェックインして寝た。
3日目。
ゆっくり起き、ホテルの朝食バイキングを堪能してから松本城へ。さすが国宝なだけある、雪の中の漆黒の松本城は美しかった。そして当然だが、階段が急で大変だった。…そうだ、実はここで本のしおり的なやつを買ったんだが、無くしてしまったようだった。
続いては明治時代の洋風の校舎、開智学校へ。当時の教育に関する展示もなかなか充実していて、面白かった。
そして松本を出て、甲府へ。途中の上諏訪では停車時間が長かったため、ホームの足湯につかってみたりした。甲府では城跡を見に行ったが、何もないし正直微妙だった()。あと武田信玄はかっこよかった。
昼食のたまごサンドを購入し、身延線を南下。当時「ゆるキャン△」を視聴しており俄然身延に興味が出ていた私、身延駅で身延まんじゅうを買いに行こうかと思ったが、停車時間6分で敢行するのは困難と考え撤退。ゆるキャン△の聖地、またいつか行ってやるからな、内船駅とか甲斐常葉駅とかの利用と合わせて。
富士川に沿った車窓は結構よかった。ただ私が川と反対側の席に座ったせいで、景色を取ろうとすると川側の座席に座っているおじさまの顔が……()。
そのあたりから、天候はあまり優れていなかった。富士駅・沼津駅での乗り換えを経て私は御殿場線に乗車したが、富士山は曇天のせいであまりちゃんと見えず。残念。
そして夜を迎え、ひたすら埼玉県の自宅に戻る。
…我ながら適当な旅行記だな。
次回は、同じ春休みの日帰り旅行について書く。それではまた金曜。